一般社団法人(非営利) 新興事業創出機構  JEBDA
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「ただ今、社会変革中!」

11/18/2016

1 コメント

 
JEBDA代表鷹野と社会変革の最前線にいる起業家の方々との熱いトークをお届けします。
2回目は、「誰もが健康に暮らし続けることができる地域社会を創る」ことを目指す、一般社団法人りぷらす代表理事の橋本大吾さんとの対談です。
東北震災後に宮城県石巻市でりぷらすを設立。要介護者、障害者向けのデイサービスを運営するほか、健康づくり体操を地域で広める活動や、介護離職を防ぐための企業向けサービスに取り組んでおられます。
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~介護からの「卒業」~
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鷹野:ふつうは介護が始まったら、その先支援はずっと必要のように思いますが、りぷらすでは介護からの「卒業」を目指しておられるのが、とてもユニークですね。
 
橋本:介護保険は、自立を支援するのが本来の目的です。その選択肢の一つとして、「卒業」があるべきだと考えています。りぷらすのデイサービスは、「リハビリ特化型」として、利用者さんお一人お一人に目標設定をしていただいて、それに向かうトレーニングをしていきます。現在石巻と登米で運営しているデイサービス「スタジオりぷらす」で約50名ほどの方ににご利用いただいています。
個々の状況に合わせたトレーニングをすることで、8割近くの方の筋力が向上し、状態がよくなっています。これまで10名ほどがデイサービスを卒業され、半年ほどの利用で畑仕事や旅行を楽しめるようになった方もいます。

​体が衰える自然の流れの中で、トレーニングによってできることが少しずつ増えると、さらに頑張ろうというモチベーションに繋がるようです。嬉々として訓練に励むお姿を見せてもらえることが我々の仕事のやり甲斐にもなりますね。
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~介護離職者、年間10万人~
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鷹野:日本の最大の課題のひとつが高齢化。親の介護が働く世代にのしかかり、離職に繋がるという、連鎖が起きていますね。
 
橋本:現在日本では10人に1人が介護の当事者(介護する人・介護される人)で、年間10万人が介護のために仕事を離れる「介護離職者」になっています。脳卒中などをきっかけに介護は突然始まり、親御さんの介護のため子ども世代は、仕事と介護の両立に直面します。ある調査では、50%が介護が始まってから1年以内に離職してい流というデータがあります。このことから、介護「初動期」の対応が重要で、仕事と介護の両立に必要な情報を得ることや柔軟な働き方ができる企業の仕組みが必要です。
 
突然親が倒れて入院となり、看病に通う。退院したら今度は自宅での介護が始まり、仕事を休まざるを得なくなって気まずさから退職。そこから介護うつ、虐待、自殺などに繋がる暗い話題が多いです。介護する人が社会と分断され孤立してしまうことが原因です。大切な人材が企業から離れ、社会からも閉ざされてしまったら、その先に未来はありませんね。
そこで、企業が社員の仕事と介護の両立を後押しする体制をつくるための支援サービスとして、2016年春から仕事と介護の両立支援事業を始めました。介護の制度や仕組み、サービス内容などについて、ふつうの人はよく知りませんね。事業の一つである社員向けセミナーは、ファイナンシャルプランナーがお金についての相談や情報提供してくれるように、介護について同じような啓発活動やシミュレーションを行うイメージです。セミナー形式のほかに、電話相談や面談も行います。企業の人事部門に対しては、社員向けのアンケートで介護離職リスク診断を行ったり、仕事と介護の両立のための人事制度設計や職場環境づくりを支援します。
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~住民による健康増進の仕組みとは~
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鷹野:りぷらすの事業で達成したいことはどんなことですか。
 
橋本:我々が目指しているのは、健康で暮らし続けられるコミュニティをつくることなんです。日本の高齢化率は2050年まで上昇すると言われています。今後、高齢者に充てる社会保障の財源が相対的に減ってくる中で、高齢者が介護を必要としない状況にしていくための対策(予防)が必要になると考えています。
 
これまでは自治体の専門家が健康体操などを提供してきたのですが、これからはお年寄りが増え、供給が追い付かなくなります。そこで、現役を引退した団塊の世代を中心に、地域で支えあう体制ができるのではないかと考えました。住民のための、住民による健康づくりの体制ですね。つまり、地域の元気なシニアの皆さんに「おたがい体づくりサポーター(おたからサポーター)」になってもらい、彼らに仮設住宅や集会所で体操教室を開いてもらって、地域全体の健康増進を図るというものです。
 
リタイア後も元気なシニアは、地域にボランティアする意識が高く、自分の健康のためにもサポーター役を買って出てくれる人が多くいます。また震災後やることがなくなった、何をしていいかわからくなったという人には、新しい生きがいを見つけてもらうきっかけにもなっていると思います。
16時間の講座を受ければ、3級のおたからサポーターに認定されます。サポーターが仮設住宅や集会所で開催する体操教室に、現在は毎月のべ150名が参加していますが、毎年それを倍増していく計画です。これをほかの地域でもあてはめられるような仕組みを作り、一緒にやってくれるパートナーを探して、いろいろな地域で展開していくのが夢です。
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~危機感に突き動かされ、行動を起こす~
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鷹野:橋本さんをさまざまなチャレンジに向かわせる原動力は何ですか。
 
橋本:最初スポーツトレーナーになろうと学校に入り、その後病院に就職し、リハビリテーションに関わる仕事に出会い、理学療法士の資格を取りました。病気や障害に向き合う人々の、マイナスの状態を少しでもプラスに持っていき、どう生きるかを支えるこの仕事を自分の天職だと感じました。
 
東日本大震災では、茨城県鹿嶋市の実家が被災して屋根が壊れたり、親戚の家も津波を受けるなど、当事者体験があったのですが、ボランティアで行った閖上の惨状を目の当たりにした時、圧倒的な無力感に襲われました。自分には何もできない、という思い。それでもできることから、とにかくやるしかない。ボランティアで東北に来たときは、まさかここで起業するとは思っていませんでした。
 
震災後、石巻では急激にコミュニティの姿が変わりました。介護の必要な人が増え、もともと介護を受けていた人が悪化しました。これから日本に起こる課題が、ぐっと圧縮してやってきたような現象です。社会課題を10年先に進めたといわれる東北から、バックキャストして今やるべきことを考える。そんな思いで取り組んでいます。
社会を変えることは容易ではないけれど、危機感に突き動かされた人々が地域を変えていくのだと思います。何しろ自分が行動を起こすことだと思うし、そんな自分をみて、チャレンジしようと思う人が出てきたら嬉しいです。地域の人々がサポーターになっていく、という変化が起こっているように、それぞれの技術、知識、時間、お金などを共有しあって支えあえる社会が作れたらいいと思います。
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インタビュー後記

まだ30代半ばの橋本さん。なかなかの苦労人で、だからこそにじみ出る優しさや謙虚さが印象的です。「自分が行動を起こす」ことの大切さは私も常々実感していることで、自分が動くことで回りも一緒に動いてくれるし、自分が動くと動いている人の姿も見えてきます。東北を見ていると、本当に社会課題が10年早く顕在化していると感じます。そこから今後日本各地で起こることをバックキャストすれば今取るべき行動が見えてきますね。うーん、同感! 橋本さん、今回はありがとうございました!!
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1 コメント
Kevin S link
12/21/2020 10:02:29 am

Thanks for postiing this

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